知覧城

知覧城

鹿児島時代始め、源頼朝の命によってできた建久8年（1997年)薩摩国図田帳（土地台帳）によると、当時は知覧院とよばれ、薩摩平氏の一族である平忠益が郡司として治めており、地頭には島津氏初代忠久が臨んでいました。
その郡司・地頭の職務はそれぞれの子孫に継承され、南北朝時代になると郡司平忠世は南朝方に、地頭島津久直は北朝に属して各地域を転戦しましたがともに没落してしまい、文和2年（1353年）に足利尊氏が島津氏5代島津貞久の弟佐多氏の初代の忠光の軍功を賞して郡司知覧忠世の遺領を与えた事により、これ以降、知覧は佐多氏の領地となりました。
室町時代初め、知覧は、そのころ南薩に勢力を張っていた伊集院氏の一族今給黎久俊が押領して、島津氏8代目久豊に反抗していましたが、応永27年（1420年）ついに降伏しました。
山田聖栄自記によると、島津久豊かは知覧城（当時は上木場城と呼ばれました。）に入ると、あらためて知覧は「佐多殿の由緒の地」であると言って、佐多氏4代佐多親久に与えました。
これが知覧城に関する最も古い記録となっています。
その後、天正19年（1591年）佐多氏は家臣が豊臣秀吉の命令に背いたことから、知覧を没収され、隣村川辺宮村に領地を移されました。
10年後にはまた知覧に復帰しましたが、その間に知覧城は火災にあって全て焼失してしまいました。
元和元年（1615年）には徳川家康は一国一城の制をしきましたが、それをまつまでもなく知覧城は廃城となったものと思われます。
知覧城はシラス台地のへりにできた浸食谷を利用して空堀とし、10余りの郭（平坦なところ）を築いて、これらを本丸の周辺に配置した山城で、築城当初の原形が良く保存されてる貴重な遺構であると評価されています。

写真の一番左の説明表示板より

アドレス	川辺郡知覧町	PA：周囲に何カ所か駐車スペース有り。／城内散策時間目安：約5分～2時間（城山を散策すれば2時間位）
別名	上之木場城
築城者	知覧氏
歴代城主	平忠益・知覧忠世・佐多氏
城の種類	山城
遺構	土塁・空堀
近辺の見所	知覧武家屋敷群

広大な敷地を誇っていたお城だそうですが火災で焼失し、現在は築城当時の原形をそのまま残す土塁と城跡を取り囲む位置に標識や説明板があります。
※今回は時間の都合で、内部にはあまり踏み込めませんでした。